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AIエンジニアに聞いた!生成AIの基礎知識と未来

昨今、AI・生成AIといった言葉が身近になり、ChatGPTをはじめとしたCopilotやGeminiなど、さまざまなツールを耳にするようになりました。たくさん新しいツールが出てくるけれど、そもそも生成AIって何なの?いったい何が便利なの?といった疑問をお持ちの方も少なくないと思います。

筆者である私、岡本(Webディレクターを主にやっています)も一歩踏み込んだ生成AIの世界はなんだかいまいち謎めいていてよくわからない...と思っていました。

そこで今回は、AIチャットボット「helpmeee! KEIKO」を開発しているAIエンジニアに、AIのさまざまな疑問に対して回答してもらいました!

技術用語はよくわからない...という方にも安心して読み進めてもらえるように、可能な限りわかりやすく解説しているのでぜひ最後までお読みください。

そもそも生成AIとは?

生成AIは、データやパターンから学習することでコンテンツを新しく「生成」することのできるAIのことを言います。これまでのAIはデータを学習することで、決まった行為を自動化するものでしたが、生成AIはテキストや画像、動画、音声などのコンテンツを生成できるため学習内容から新しく創造することができるのが特徴です。

従来のAIは、決まりきった単純作業の自動化などに応用されていましたが、生成AIはよりクリエイティブな知的作業を行うことができるため多様な領域において応用が可能です。

生成AIの進化の歴史

岡本: 生成AIという言葉が有名になったのは最近ですよね。これまでの生成AIの歴史について教えてもらえますか?


AIエンジニア: 生成AIの技術的な歴史で言うと、まず一番最初に出てきたのがGoogleが発表した「トランスフォーマー」と言う技術ですね。 これ自体は部品のような感じでトランスフォーマー単体では動きません。


トランスフォーマーとは 人間の脳の仕組みを模倣した機械学習モデルの一種で、文章やデータの関係性を効率的に解析するための仕組みになっています。後述するBERTやGPTのベースとなっている技術です。 従来のリカレントニューラルネットワーク(RNN)に比べ、全体の文脈を並列処理で理解できる「自己注意機構(Self-Attention)」を採用し、大規模なデータ処理が可能です。この構造により、文脈をより深く理解し、自然な文章生成や質問応答などを行う性能が向上しました。



岡本: (部品...?)


AIエンジニア: よくわからないこともあると思うんですけど、とりあえず聞いてもらえれば笑。 その次に出てきたのが「BERT」です。BERTはトランスフォーマーを用いた大規模言語モデルのはしりと言われています。これまでは学習済みモデルというものは微調整ができなかったのですが、BERTの登場によって色んなタスクに用いることが可能になりました。


BERTとは BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)は2018年にGoogle社が発表した自然言語処理モデル。トランスフォーマーの双方向性を活用し、文脈の前後を同時に考慮することで、従来のモデルよりも精度の高い文章理解が可能となりました。



岡本: なるほど!BERTの登場が革新的だったんですね。


AIエンジニア: そうですね。そして、続いて登場したのがGPT-1になります。これが、最初の大規模言語モデルと言われています。


大規模言語モデルとは Large Language Models、LLMとも呼ばれる。膨大なデータとディープラーニング技術を用いて構築された言語モデルのこと。自然言語を用いたさまざまな処理を、高精度で行うことができます。


言語モデルとは 言語モデルは自然言語処理に使われる技術の1つで、人間が日常的に話したり書いたりする言葉や文章をもとに、次に続く単語を予測する技術です。自然言語処理(NLP)で幅広く活用され、翻訳、文章要約、質問応答などのタスクを支援します。



岡本: GPTということは、OpenAIのものですか?


AIエンジニア: はい、OpenAIが開発したモデルになります。GPTがどんどん改良されていき、今はGPT-4になっています。


OpenAIとは OpenAIは、アメリカのサンフランシスコに拠点があるAIを専門とする非営利研究機関です。自然言語処理や機械学習の分野で知られています。代表的な製品にGPTシリーズなどがあり、対話型AIや生成AIの開発をリードしています。 参考:OpenAI



Point!

・生成AIは新しくコンテンツを創造することができ多様な領域で応用可能

・生成AIはさまざまな改良の歴史を経てきた

生成AIのモデルとは?

岡本: お話を聞いていると、生成AIにはさまざまなモデルが存在するようですが、そもそもそのモデルってなんですか?


AIエンジニア: 「生成AIモデル」というのは、簡単に言えば、新しい内容を作り出すことができる人工知能のことです。 具体的には、与えられた情報や指示を基に、文章、画像、音声などを生成する能力を持つAIシステムのことを指します。例えば、質問に対する回答を作成したり、小説やビジネス文書を書いたり、さらには画像や音楽を創作したりすることができるんです。


生成AIモデルの特徴は、単に情報を検索して表示するだけでなく、学習したデータを基に「創造的」な出力ができることです。人間が書いたような自然な文章や、実在しない画像を生成できるのが大きな特徴ですね。


ただし、重要なのは、これらのモデルは与えられたデータから学習して生成を行うので、時には不正確な情報や、意図しない結果を出力することもあります。そのため、生成された内容は常に人間がチェックし、必要に応じて修正することが大切です。 ビジネスの観点から見ると、生成AIモデルはさまざまな業務の効率化や、新しい創造的なアプローチを可能にする強力なツールとなります。例えば、マーケティング文章の下書き作成、製品説明の自動生成、顧客対応の自動化など、幅広い分野で活用できるんですよ。

Point!

・生成AIは新しい内容を作り出すことができる人工知能

・モデルは用途に応じて使い分ける

すぐ実践できる!生成AIの活用方法

岡本: 生成AIの活用、というとビジネス使用や個人使用でとりあえずChatGPTやMicrosoft Copilotを使ってみるというのが主流かと思います。あと、Web関係の仕事をしている人だとFigmaやCanvaのAI機能を使い始めるっていうのもよく聞きます。 ビジネスや日常で役に立つ使い方があったら教えてもらえますか?

ビジネスで生成AIを活用する

AIエンジニア: まずビジネス利用だと色々あると思いますが基本的なところで言うとメールの作成支援やドキュメントのテンプレート作成あたりですかね。


岡本: 確かに。今は「プロンプト」も検索すればたくさん見つかりますし、ルーティーン作業をまずは楽にできますよね。


プロンプトとは 「プロンプト」とは、AIモデルに対して指示や質問を入力するテキストのことです。生成AIは「プロンプト」に基づいて出力を生成し、ユーザーの要求に応じた情報や文章を返します。



AIエンジニア: はい。まあ、ビジネス利用だったら他にもいくらでも出てくるでしょうが。AIエンジニアをやってる身からすると逆に思いつかないです。笑


岡本: 職種によっても、どの業務に活かせるか変わってくるところもありますから、自分の職種 + AI活用 で検索してみてもいいかもしれませんね。新しい技術に敏感な先人たちが有益な情報を発信してくれています。


AIエンジニア: エンジニアだったら、ChatGPTが便利ですよ。ドキュメントの作成支援や、コードの提案もしてくれますしね。


補足: 調べてみるとわかりますが、ビジネス利用できる生成AIツールは非常にたくさんあります。企業に所属している方であれば、社内で導入されているビジネスAIツールをまずは利用してみるのが良いでしょう。そのほか主要なツールでいうと、タスクやプロジェクト管理などマルチに使えるNotionAI、画像生成だとMidjourneyやCanvaなどがあります。 使用上の注意をよく確かめてから、ご自身にあったツールを試してみるといいかもしれません。


Midjourneyとは 画像生成AIサービスの一つ。生成したい画像のキーワードや指示文を書くことで画像を生成してくれます。 参考:Midjourney


Canvaとは オンラインで使えるグラフィックデザインツール。機能やテンプレートが豊富なので初心者でも簡単にデザインワークをすることができます。 参考:Canva



日常生活で生成AIを活用する

AIエンジニア: あとは、日常利用だったら英会話の練習や、将来のプランを立てるための助っ人にしたり、冷蔵庫に入っている食材から料理の提案をしてもらったりといったことができます。


岡本: 活用すれば、かなりの範囲で役立てられそうですね!


AIエンジニア: そうですね!各社からさまざまなサービスが出ていると思うので調べてみるといいですよ。


補足: 日常生活は、非常に幅が広いので生成AIの活用範囲は無限といえそうです。ChatGPTのようなテキスト生成のAIにあらゆることを指示し、聞いてみるとたくさんの解決策やアイディアを得られるでしょう。ここでポイントとなるのは「プロンプト」。 例えば英語学習のプランを考えてもらうとして、自分は今どのくらいの英語レベルで、どの程度できるようになりたくて、いつまでに達成したいのかといったことを具体的に書くとより精度の高い回答を得られます。生成AIが理解できて、より良い回答ができる「プロンプト」を書きましょう。


Point!

・生成AIはビジネス、日常生活両方で非常に役立てることができる

生成AIに質問するコツ

AIエンジニア: あとは、生成AIに質問する時にもコツがあるのでお伝えしておきますね。


岡本: お、それは聞きたいです!


AIエンジニア: 覚えておくといいのは、ざっくりした質問をしても意図した回答が得られないということです。例えば、「パソコンが壊れました」と質問するだけでは良くない質問です。パソコン、と伝えるのではなくて MacBook16が壊れました、というように具体的に伝えましょう。 考えてみたら、パソコンというだけだと概念が広すぎますよね。MacとWindowsでもだいぶ違いますから。 よく、生成AIが思ったような回答をくれないという話を聞きますが、それは質問の仕方が悪いことも多いですね。この質問の仕方でAIが理解できるかな?ということを考えてみましょう。


岡本: 基本的なようですが大事なことですね。


AIエンジニア: あとは、AIモデルによっても返ってくる答えは異なるのでさまざまなモデルを試して一番いいと思ったものを参照するのが本当は望ましいですね。


Point!

・ざっくりした質問ではなく、明確な質問をする

覚えておきたい生成AIのリスク

岡本: 色々伺ってきたように非常に便利な生成AIですが、気をつけなければいけないこともあるんですよね?


AIエンジニア: そうですね。個人利用する場合は、個人情報や機密情報は入れないようにしましょう、AIの学習にデータが利用されるからです。ビジネス利用の場合はビジネス向けツールだとその辺りの制御がされているツールもあるので製品によりけりです。 あとは、聞いてはいけないことを聞かないようにすること、ハルシネーションが起こっていないか自分で確かめることですね。ハルシネーションは生成AIが誤った回答をすることです。


岡本: なるほど。この辺りは、うっかりしてしまいそうなので気をつけた方がいいですね!


AIエンジニア: はい、気をつけた方がいいです。


Point!

・生成AI利用時には個人情報や機密情報を入力しない

・回答が誤っていないか自分で確認する

社内利用する生成AIツール選びの技術的なポイント

岡本: この記事を読んでいただいている方は、企業の中でAIツールを選定する立場にある人も多いと思うのですが、そのような方々に向けて選び方のコツを教えてもらえますか?


AIエンジニア: 各社色んなAIを使っているのでさまざまなんですよね。どのような技術を組み合わせているかで変わってくるんですよ。どの程度のモデルの組み合わせのチューニングができているかとか。なので、技術面での比較だと選ぶのは割と難しいといえますね。


岡本: 各社のエンジニアが、技術を組み合わせて製品を開発しているからそれぞれ違うということですね。


AIエンジニア: そういうことです!


岡本: 自社で利用するツールを選定する上で、重要な目的に対して多角的に製品をみていくのがいいのかもしれませんね。


AIエンジニア: 各社のAI製品の技術選定に技術力が必要になってくるというか。技術のうちの何かが抜けるだけで結果が変わってくる世界なのでね。


岡本: なるほど。技術の詳しい部分についてはエンジニアじゃないと難しいかもしれませんが、やはり最新技術を利用していたり優秀なエンジニアが多かったりする所のツールを選ぶのが良いでしょうか?


AIエンジニア: おっしゃる通りです!


補足: 「生成AI技術」の内容での比較は奥が深くて難しい。しかし、日進月歩の業界なのでより優れた最新技術を利用していたり高い技術力を誇るツールを選ぶのは良さそうです。そのほかにはツール自体が使いやすい設計になっているかどうか、予算に見合っているかどうか、法人利用に適したリスク対策が施されているかどうかといった点をみながら比較するのが良いでしょう。

Point!

・生成AIツールに利用されている技術はツール開発各社によって異なる

・技術的に優れているツールの中で、その他の観点でも多角的に比較してツール選定をする

2024年の生成AIトレンドとは?

岡本: 生成AIは変化が非常に速い分野だと思いますが、個人的に思う2024年の生成AIトレンドについて教えてください!


AIエンジニア: AIエンジニアごとに色んな意見が出てきそうな質問ですね。私がイチオシなのはPerplexityですね。これはOpenAIのモデルも、Claudeも使えて、かつ論文検索やネット検索を利用して生成できるツールです。自身のナレッジを利用して生成できるんです。 自身のナレッジを利用して、というのはPerplexity内に自分で学習させてその学習済みナレッジ内から回答を生成するようにできるという意味ですね。


Perplexityとは Perplexityは、自然言語処理技術を活用した対話型検索エンジンおよび生成AIです。OpenAIのGPTモデルや、Claude3.5 Soonetといった最新言語モデルとBingの検索エンジンを使っています。これまでのWebでの検索と、生成AIのいいとこどりをしていることが特徴です。 参考:Perplexity


Claudeとは OpenAIの元メンバーによって設立されたAI企業のAnthropic社が開発した、大規模言語モデルを用いた対話型生成AIのことです。低価格で高性能であることが特徴で、膨大なデータでも、スムーズな処理ができるため活躍が期待されています。 参考:Claude



岡本: そんなツールがあるんですね!


AIエンジニア: はい。あとは、次に流行りそうなトピックといえばロボットですかね。例えば顔の表情を読んで何を話していいかを判断するといったことができるとか。 また、今は生成AIは文字ベースが主流ですが、マルチモーダルといって画像や音声など全てひっくるめたコミュニケーションツールが生まれるかもしれないですね。これは近い将来にありそうな気がします。今後、AIが気軽に使える社会になっていくと思いますよ。


岡本: 昔描いていた未来のような世界がもう実現しつつある感じがしますね。そもそも今でもかなり多くのことが生成AIで、できるようになっていますしね。あまりにも便利だから、AIの活用が社会で急速に広がっていくことは予想されますが、企業や利用者のリテラシーがAIの浸透に追いつけなさそうで少し心配ですよね。正しい知識を持ちながら、便利に活用していける社会になるといいですね!


AIエンジニア: そうですね!


Point!

・生成AIは日々発展しており、これからどんどんAI活用が気軽な社会になっていく

まとめ

今回、AIエンジニアへのインタビューを通して、生成AIの基本からその進化、そして実際の活用方法まで幅広く学ぶことができました!生成AIは私たちのビジネスや日常生活において、これからますます重要な役割を果たしていくでしょう。

その一方で、リスクにも十分注意しながら賢く活用することが求められます。これからの未来では、私たちはビジネスでも日常生活においても、生成AIと共存しながらうまく活用していくことになっていくはずです。正しく理解しながらうまく使いこなしていきたいですね!

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